【症例報告】うさぎの避妊手術

久々更新となりました。症例報告です。

今回はウサギの避妊手術に関して。

Q.なぜ必要なのか?
   ⇒女の子の場合、子宮疾患の発生率がかなり高いためです。
    多くの場合、血尿といった症状で発見されます。
    しかし膀胱炎であることは稀で、子宮内膜に何らかの変化が起きている事がほとんどです。
    そして、子宮に問題を抱えている個体の約30〜50%で子宮腺癌という悪性腫瘍が見つかります。
    最悪の場合、肺転移、腹膜播種が起こる事もありそうなれば治療はありません。
    また出血が多い場合は貧血が進行し、手術自体も難しくなることがあります。
    ただし、これらの病気は避妊手術を行なう事で防げます。生後半年〜1歳までに行なう事が理想的です。

子宮内膜症
(ぱっと見はきれいだが、子宮内膜が肥厚し、外観も分厚くなっている)

Q.アシル動物病院ではウサギの手術はできますか?
   ⇒眼・骨折・神経の手術(特別な機械が必要)以外は、
    ウサギでも他の動物と変わらない内容の手術ができます。

Q.ウサギの麻酔が怖いと聞くのですが?
   ⇒確かに犬猫よりも麻酔による事故率が高いデータはあります。
    しかし、それにもウサギ特有の事情があります。詳しくは診察の際にお話しします。
    間違いないのは、事故発生率よりも子宮疾患発生率の方がはるかに高いということです・・・

子宮腺癌
(子宮腺癌;先程の写真と違い外観がぼこぼこしているのが分かると思います、上部分は卵巣と卵管)

Q.避妊手術の流れを教えて下さい
   ⇒朝来院してもらい、血液検査を行ないます。
    その後、小動物手術特有の前処置を行ないます。そして昼休みの時間に手術を行ないます。
    手術は約30分程ですが、すでに子宮に異常がある場合はこの限りではありません。

Q.費用はどれくらいですか?
   ⇒お電話下さい。
    犬猫と同様な麻酔モニタリング、気管挿管(状況によりマスクでの麻酔もあり)、静脈確保等を行ないます。
    すでに出血がある場合は、通常の避妊手術とは異なりますので料金も上がります。
    通常でしたら1泊です。

うさぎ気管内挿管
(麻酔時の気管内挿管をしている様子)

Q.いつできますか?
   ⇒お電話で予約をお願いします。
    手術は完全予約制です。初診の方は診察が必要です。