【症例報告】ブルドックの帝王切開

どんぐり

ブルドックなどの短頭種では、自力分娩できる確率が30%程度と低いため
あらかじめ計画して帝王切開を行います。

ただし短頭種での帝王切開は、飼い主様に酷ともいえるお願いをして行う事になります。

・短頭種の麻酔は、気をつけて行っても何が起こるか分からないということ。
 つまり本当に命がけでの出産になるということです。
 もちろんあらゆる可能性を想定して行いますので、実際に亡くなる事は少ないですが
 私も過去1度だけ経験しています。
・とくにブルドックでは胎児奇形が発生しやすいといいます。
 術前のレントゲンや超音波では判断がとても難しく、生まれてみないと分からないのが現状です。

すべての帝王切開で言える事ですが、
・胎児を取り出した後、胎盤付着部からの出血が多すぎる場合は、
 止血のためやむなく避妊手術に移行することもあります。
・難産後の帝王切開では子宮が破れていたり、胎児がすでに息絶えていたりと
 いつも同じように安全に行う事は難しい場合があります。

当院では上記異常になるべく早く対応できるように
交配後55日以降でのレントゲン・超音波検査による妊娠確認を推奨しています。
帝王切開手術時は術前の血液検査、覚醒の早い麻酔薬の使用、日帰りにて行います。